ツィンクに対する誤解をゆる~く徹底検証!
ツィンクに対する誤解ってあるなぁ、とTwitterやFacebookでボソッと呟いたら質問を頂いたりリアクションがあったので、SNSで書いたことも含めて、ここでまとめとこうかなぁと。
色んな人に知ってほしいですからね。
誤解するということはツィンクを知ってくれているということだから、それだけでも有難いんだけどさ・・・
誰得やねん!!ってツッコまれそうな記事だけど、トランペットやピストン付コルネットの歴史にも触れるので楽しんでちょ、と。
それじゃーいっちゃうよ!!
誤解壱:ツィンクってトランペットの先祖でしょ?
この誤解は非常に多いです。
どこでそんなことを聞いたのかは分かりませんが、確かにトランペットの歴史を語る時にツィンクの名前が登場することは良くあります。
Wikipediaのトランペットの項目でもツィンクについて紹介があります。
おそらく、それが誤解される原因でしょう。
実際、そう主張する人もいます。専門家ではありませんが・・・。
では、ツィンクの歴史を簡単に。
ツィンクは、10世紀辺りのカウホーンと呼ばれる角笛に関係があるのではないかと考えられています。
そして、16世紀終わり~17世紀初期に隆盛を迎え、その後、徐々に衰退していきました。
17世紀中頃に入るとほとんど楽譜に登場しなくなります。
ツィンクを演奏する人はいたようですが、かなり少なくなっていたと推測されています。
そして、そのまま子孫を残すことなく歴史から姿を消しました。
一方、トランペットはというと、
その始まりは紀元前に遡ります。
最初期は実に様々な材質で作られていたようです。
その楽器には現代のようなピストンもなく、管に穴も空けられていなかった為、出せる音は限られていました。
13世紀になると、トランペットの語源になったトゥベクタという楽器が作られます。
それから、少しずつ時代を経る毎に姿かたちを変え、19世紀になってようやく今のようなトランペットの形になりました。
紀元前から現代まで、歴史を途絶えさせることなく生き続けてきたのです。
ざっくりとですが、これがツィンクとトランペットの歴史です。
ツィンクが10世紀頃の角笛を起源としていると考えられているのに対して、トランペットは紀元前にすでに歴史に登場しています。
また、ツィンクの時代にもトランペットはあります。
その前の時代にもその後の時代にも。
一方、ツィンクは17世紀以降廃れてしまいました。
よって、ツィンクとトランペットは歴史的に何の関係もない楽器なんです。
では、次のミステリーに参りましょう。
(何かのパクリのような気がする…)
誤解弐:ツィンクってピストン付コルネットの仲間でしょ?
ツィンク(独語)はコルネット(伊語)とも呼ばれます。
イタリアのヴェネツィアで隆盛を迎えた楽器なので、本来コルネットと呼ばれるべき楽器なのですが、現代の日本においてコルネットと言えば、トランペットと形の似たピストン付コルネットのことを思い浮かべると思います。
どちらもコルネットではややこしいので、ツィンクとピストン付コルネットと呼び分けるようにしています。
おそらく、名前が似ているというのが原因かと思われますが、ツィンクはピストン付コルネットの仲間だとか、先祖だと誤解されることがあります。
ツィンクについては先ほど書いたので、ここではピストン付コルネットについて。
ピストン付コルネットは、18世紀のポストホルンと呼ばれる楽器を起源とし、19世紀になって発明されました。
それから現代に至るまで細かな改良は行われていますが、基本的には変わっていません。
これで一目瞭然ですよね。
ツィンク(コルネット)とピストン付コルネットは名前は似ていますが、まったく別の楽器で、歴史的な繋がりもないと。
番外編:トランペットとピストン付コルネットは仲間でしょ?
では、ここで番外編。
ここまで、ツィンク、トランペット、ピストン付コルネットと簡単にではありますが歴史を紹介してきました。
もうすでにお気付きかも知れませんが、実はトランペットとピストン付コルネットも歴史的には関係のない楽器なんですよ!
ピストン付コルネットの起源はポストホルンであって、トランペットではありません。
そして、ポストホルンはトランペットではなくホルンの仲間なんです。
つまり、ピストン付コルネットはホルンの仲間と言っても過言ではないということ!
ピストン付コルネットってトランペット奏者が演奏することが多いですからね。
誤解も当然と言えば当然です。
さてさて、結論といきましょうか!
結論:みんな仲間じゃなかった!
意外ですねぇ、とっても意外ですねぇ!
ツィンクもトランペットもピストン付コルネットも、歴史的には何の関係もない楽器だったなんて!
みんなそれぞれ独自の歴史があると。
そういうことですね。
仲間だと思っていたのにそうじゃなかった、、、
なんて、なんだかとっても寂しい話です。
人生とは孤独なのかもしれません。
みなさんの隣にいる人は、本当に仲間ですか?
オチこわっっ
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