ひろしコンフォーコ

ツィンク奏者が物知り顔であれこれ語ろうとするものの、ちっとも上手くいかないブログ。

どうして和声法が分からないの?音大生や吹奏楽部員を見ていて思うこと。

音楽を専門的に勉強したいと思っている人や、勉強中の人はジャンルを問わず、かなり多いと思う。プロを目指すのか、教育者を目指すのか、はたまた、アマチュアプレイヤーのスキルアップの為なのか、目的も様々だ。

今回は、音楽を学ぶ事について音楽理論に絞って書いていこう。

 

音楽って何を学ぶの?

音楽を学ぶと言っても、具体的に何を学ぶのだろう。ジャンルによって異なる部分もあるが、多くの場合、和声法(コード進行)、対位法、スコア(総譜)の読み方、音楽史は必ず必要になる。

どれも一朝一夕に出来る事ではないから、気が遠くなるかもしれないが、少しづつでも続けていけば、誰にだってある程度は出来るようになる。

必要ならば、レッスンなどのサポートを受けることも可能だ。今は、スカイプなどで気軽に受けられるレッスンもある。

 

音楽理論を投げ出す人たち

多くの人にとって、音楽の勉強は数学や国語と違って、小さな頃からの積み重ねがない。その分、取っ付きにくく、難しく感じる人も少なくない。音大生でさえ、実際の演奏で使えるレベルの和声法すら理解していない事が多い。

簡単な和声であれば分析出来るが、自分が演奏する曲を始めから最後まで分析出来なかったり、分析出来たとしても、それをどう演奏に活かしたらいいのか分からない、といった具合だ。

何もこれは珍しいケースではなく、極々ありふれた現実だ。そして、彼らは挫折する。

 

情報で溢れかえっている

彼らが挫折するのは、教育が悪いのかもしれない。音大や専門学校での教育を受けた経験がないから分からないが、多くの人が音楽教育のあり方に疑問を呈している。

しかし、そうは言っても学びたいのであれば、なんとか理解出来るようになる他ない。音楽を学びたいと言いながら、教育のせいにしたって何も始まらないのだ。

現に、今はインターネットなどのメディアを通じて、多くの教育者や音楽家が情報を発信している。その気になれば、彼らと直接コンタクトを取ることだって可能だ。その辺りの垣根は、一昔前よりも随分低くなっている。これを使わない手はない。

もちろん、本やインターネットから具体的な勉強方法や、解説などの情報も得られるのだから、独学だって充分可能だ。

 

それでも、やらない人たち

厳しい事を言うようだが、学びたければ行動するしかない。理解出来るようになるまで、続けるしかない。

幸い、日本語に訳されている海外の理論書なども豊富だ。一つくらいは、自分に合ったテキストに出会えるだろう。

大学に通えないとか、仕事が忙しくてレッスンに通えないとか、言いたい事はあるだろう。でも、これだけ環境が整っていながら、音楽理論が理解出来ないのは誰のせいでもない。理解出来るようになる為の行動をしない人が悪いのだ。

理解出来ないのなら、理解出来るようになる為に工夫するしかないのだから。

 

ツィンクの世界は情報が少ない

ツィンクって何なのよ?って事については、改めて記事にするので、ここでの説明は省かせてほしいのだが、日本語でのテキストが圧倒的に少ない。言語音痴の僕にとっては、本当に泣きたくなるほど少ない。

では、どうするのか。

レッスンに通って、専門知識が豊富な先生から学ぶ事が、まず第一。もちろん、毎日レッスンに通える訳ではないから、あとは自分で勉強するしかないのだが、ここが問題だ。

僕が実践しているのは、ツィンクの時代の楽譜を作曲家毎に、とにかく読みまくる。分からなくてもいいから、とにかく読んで分析に分析を重ねる。そして、実際に演奏してみる。また分析する。この繰り返しだ。

他には、少なからず日本語で出版されている本や、訳書などを役に立たなそうでも読んでみる。ほんの少しでも、何か情報が得られたらラッキーだからだ。

語学も勉強している。語学は、それこそ中学の頃から苦手で勉強してこなかったから苦労しているが、色んな方々にアドバイスを頂きながら学んでいる。かなり、ゆっくりなペースだが。。これも続けていけば、そのうち原書も読めるようになるだろうから、日本語以外の情報にも触れられるようになる。

他にも取り組んでいることはあるが、あまり長くなっても仕方がないので、ここまでしておく。

 

僕も以前は…

僕にも、たくさんの情報やチャンスがありながらも、なかなか音楽理論が理解出来ない時期があった。

でも、今振り返ってみると、「何でやらなかったの?」と思う。

「何で分からなかったの?」ではなく。

勉強していた本が合わなかったとかもあるだろうが、だったら別の本で学べば良かったのだ。たった、それだけの事を怠っていた。勉強方法も同じ。合わないなら変えればいい。どうやったらいいか分からないなどと言わず、とにかく違うやり方を取り入れればいい。そうしているうちに、自分に合うやり方が分かってくる。

 

どうしてやらないの?

音楽理論なんて、なんだか難しく聞こえるけど、ハッキリ言って音大の授業で学ぶレベルの理論は高校生でも充分に理解出来る。もちろん、中学生でも手を出せるだろう。

だから、吹奏楽部員の中高生たちも、「難しい事は分からない」なんて言わず、ぜひ取り組んでみてほしい。プレイヤーは、指揮者に言われた通りに吹いてれば良い訳じゃない。自分に与えられたパートをどう演奏するのか、自分で判断しなくてはいけない。その為には、知識が必要だ。

そこに、プロとかアマチュアとか音大生とか中高生とか、一切関係のない事だ。

だから、音楽理論で躓いている人たち、とにかくやろう。続けよう。

必要なサポートや情報に必ず出会えるはずだから。

 

 

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