ひろしコンフォーコ

ツィンク奏者が物知り顔であれこれ語ろうとするものの、ちっとも上手くいかないブログ。

プロの演奏を知る。そこから得るアイディアと知識。

引き続き、先日の中学校の吹奏楽部にお邪魔してきました。
吹奏楽コンクールの地区大会が終わってから2回目のレッスンです。

 

今日はトロンボーンも一緒に見てほしいということで、トランペットと同じフレーズを演奏する時どうするか、という点を一番にお伝えしました。

 

その為に、まず一緒にベルリンフィルの映像を観て、生徒さんたちに分析してもらいました。

 

トランペットとトロンボーンが同じフレーズを演奏するシーンでは、トランペットのトップの音が目立って聴こえますが、実際はトロンボーンの方が大きいよね?ということを確認し、そう聴こえるようにする為にはどうすればいいのか。

 

トロンボーンのみんなは音量が足りない、という指摘をよく受けているようでしたが、僕が聴いた限りではそのような印象は受けませんでした。

 

実際に起きていた事は、発音が明瞭でない為に聴いている人に音(フレーズ)が届いていない、ということ。

 

なので、発音について簡単にお伝えしたところ、すぐに変化が表れました。
たったそれだけで、ベルリンフィルがやっているのと同じバランスで同じ効果を得ることが出来るようになりました。

 

やはり、印象から受ける結果だけ抜き出して指導(今回であれば音量が足りない)するのではなく、実際に何が起きているのか、丁寧に分析した上で指導(練習)するのが大切だなぁと思います。

 

後半はトランペットの生徒さんだけのレッスンに切り替えました。

 

そこでも、まず色んな映像を観てもらいました。
ベルリンフィルセルゲイ・ナカリャコフウィントン・マルサリス、カナディアン・ブラス。
映像をもとに、世界トップクラスのトランペット奏者がどんな風に演奏しているのか、簡単な解説しました。

 

また、生徒さんと同じアンブシュアタイプ(今回の場合、超高位置タイプと低位置タイプという比較的少数派のタイプ)の演奏家を観てもらうことで、何か得るものがあるのではないか、という考えもありました。
アンブシュアが動いていい(むしろ動くのが自然)こと、音色の傾向、自分と同じアンブシュアタイプの演奏家が技術的にかなり高度なことをやってのけていること。

 

そういった事を知ることは、自信と安心に繋がりますし、音楽、音色、奏法の面でイメージもしやすくなります。

かなり興味を持って観てくれましたし、準備して行って良かったなと思いました。

 

しかし、地区大会からまだ数日しか経ってないのに、かなり精度が上がっていて驚きました。
練習時間も決して長くはありませんし、OFFも挟んでいる状況です。
素晴らしい集中力だなぁと。

 

僕は一貫して、技術レベルを上げるという指導はしていません。
出来なかったことを出来るようにしているのではなく、いま出来ることをもう少し簡単にやる方法だったり、演奏能力を発揮する方法をお伝えしているだけです。
それ以外に指導する必要が見当たらなかったからです。

 

上手くいかなかった時に、下手だ、ミスだ、上手くいっていないと決め付けるのではなく、やるべき事はやっているけれど結果として表れにくくなっている原因をお伝えするようにしています。

 

地区大会前は不安げに高音を演奏していた生徒さんも、今は伸び伸び演奏していて、より音色も綺麗で響きのあるものになっています。
本人も、音が当たるようになったので怖くなくなったと言っていました。

 

僕は惰性の塊ですから本当に何もしてません。
本人の頑張りです。
練習に丁寧に向き合えるのは素晴らしいことですね!

 

週明けには大阪府大会です。
そこでも、自信を持って存分に力を発揮してほしいと思います。